新型コロナウイルス感染症の世界的な流行で私達の価値観は大きく変わり、本当の豊かさの意味を考えさせられることになりました。
私たちが、飲食業に携わる者として、一人の人間として、また子を持つ親としてたどり着いたのは、
「自分のまわりにある命一つ一つを尊重しあい、
100年先の未来に責任を持って生きていきたい」
という、とても普通でシンプルな思いでした。
そしてそのために出来ることは、自分一人が変わっても何も変わらないし、と「0」に留まるのではなく、いつかの未来「100」になるための初めの一歩を不完全でも踏み出すことだと考えました。
小さくゆっくりな歩みかもしれませんが、楽しみながら私たちに今出来ることを続けていきたいと思います。
ビストロナガミネのとりくみ
大人も子どもも、家族でも友達同士でも肩肘張らずに食べて飲んで。
フレンチだけど親しみやすいビストロならではの幸せな時間をまずはたのしんでもらいたい。
それがビストロナガミネの原点です。
輸送コストをかけない「地産地消」は環境に優しく、
また鮮度の高い状態で野菜を手に入れられることは
人の健康にとっても大切なことです。
一度きりではなく何回でも食べたい料理、
また次の季節が楽しみになる料理、
日本ならではの「旬」に
フレンチのエスプリを効かせた料理で
地元の野菜の美味しさ、素晴らしさから
自然と向き合う大切さを伝えることを目指しています。
家畜を含む産業動物が最終的な死を迎えるまで、自由で健康的な生活ができるような飼育方法を目指すのがアニマルウェルフェア畜産です。
生産性のみを重視してきた従来の工業型畜産からアニマルウェルフェア畜産への移行は、いま世界中に拡がっています。
日本でもアニマルウェルフェアの精神のもとに、家畜をストレスの少ない方法で飼育する生産者の方が増えています。
消費者である我々にはまだまだ浸透していないのが現状ですが、私たちは家畜を含む動物性の食材を多く使用する飲食店として、アニマルウェルフェアへの理解を深め、またその精神を大切にすることが日常生活の新しいスタンダードとなるよう取り組みます。
まずは従来の卵から山梨県「黒富士農場」の「放牧卵」に変えました。
狭い鶏舎の中で身動きも取れず、一生を終える鶏の飼育方法が日本ではまだ一般的です。
黒富士農場の放牧卵を、ぜひ一度食べてください。
他の動物の命や幸せについて考えるきっかけになって欲しいと思います。
「食育」は、主に子ども達に対する教育的な事と捉えられがちですが、本来は普段の生活の中で「生きる」ための基本として伝えていくのが理想じゃないかと思います。
しかし、伝える側の私たち大人に、食についての正しい知識があるかというと、「なんとなくそうだと思っていた」という事も多いのではないでしょうか。
食べることは一歩間違えば人の命にもかかわることですが、情報が溢れる今の社会では本当に必要なことは埋もれてしまいがちです。
料理は家庭科で習いますが、実は科学的なものです。
美味しいこと、安全に食べられることには理由があり、その逆もまた然りです。
「当たり前すぎて考えたことがなかった」基本的なことから考え、「食べる」ことや「食べる物」に愛着と関心を持ち続けられるよう、料理教室や講習会などのかたちで「食べ物」が生まれた背景を知ってもらえたらと思います。