黒富士農場さんを見学に

2024年07月23日 13:36

コロナ禍にご縁があって使い始めた黒富士農場さんの放牧卵。

コロナや鳥インフルエンザの流行で、なかなか見学に行けなかったのですが、ようやく行くことができました。

黒富士農場は山梨県甲斐市の標高1100メートルの山中にあります。
東京に比べたら冷涼な気候で、農場の隣を流れる沢の水は鶏たちもスタッフの方々も飲料水として飲んでいるそうです。

放牧地は広い平坦な原っぱのイメージでしたが、
山の斜面を利用した傾斜のある場所でした。

日頃運動不足の私たちは、
鶏舎まで歩くのもちょっと大変な坂でしたが、
鶏たちは自由に動きまわっていて、
それだけでもかなりの運動量だなと思います。

山には鹿やキツネ、リス、
湧き水が流れる沢にはサンショウウオが生息しています。

夜になると事務所の近くまで鹿の群れが来たり、
キツネやイタチなど、他の野生動物に
鶏たちが被害を受けることもあるそうですが、

鶏たちは私たちを警戒することもなくのんびりしていて、
見学に来ていた近くの小学校の子どもたちは
放牧地から出てしまった鶏を、抱きあげて戻していました。

シェフも鶏さんを抱っこ。

卵は鶏が放牧地で産んだものを、
ひとつひとつ人が拾っているのかなと思っていましたが、

黒富士農場さんの鶏たちは
産むときはみんな巣箱に入って産むそうです。

巣箱で産んだ卵は、ベルトコンベアーでコロコロと
選別や洗浄をするGPセンターまで転がってきます。

GPセンターは毎日5万個以上産まれる卵が
ベルトコンベアーに乗って集まってくる施設です。

卵は鶏が産んだ物がそのまま私たちの元にくるのではなく、
GPセンターで洗浄され、傷や汚れ、異常が無いかを
厳しく検品された後にパック詰めされ、
それぞれの出荷先に発送されています。

最近の卵は血卵がほとんど無いなと思っていましたが、
現在のシステムはとても性能が良く、
目には見えないキズや、
血流が混ざってしまっている異常卵などは
ほとんどが出荷前にチェックできるそうです。

そういったとても高性能の設備に加えて、
黒富士農場さんではベテランスタッフの方も
最終チェックをしています。
人間の目と機械で、細かい異常やキズを取り除いた卵が
私たちのもとに届いています。

黒富士農場には鶏の糞を完全堆肥にする
堆肥センターがあります。

落ち葉などに含まれる放線菌が住み着いているプラントでは
放線菌の自浄作用により鶏糞が素早く分解されてます。

鶏舎の床にはこの土が敷かれており、
糞のアンモニア臭がする前に分解されるため、
畜産業の中でも特に臭いがきついと言われる養鶏業ですが、

黒富士農場内は嫌な臭いがせずに、
ハエもほとんどいませんでした。

こちらは飼料を発酵させている施設です。

農場特製の発酵飼料を自家配合し、
鶏も人間と同じような健康的な食事をしています。

  • 放牧卵のオムレツと白カビチーズのサラダ

  • 枝豆ととうもろこしのキッシュ

  • 濃厚な放牧卵のスクランブルエッグをステーキと一緒に

  • 放牧卵のクレームブリュレと自家製キャラメルアイス

  • 期間限定オムライス

このように豊かな自然環境のもとで
大切に育てられた鶏たちが産んだ卵は、
とにかく臭みがなく澄んだ味わい。

特に白身は他の卵とは別物です。

プレーンオムレツを作る時、
普通の卵を使用する場合は臭み消しで
ナツメグなどのスパイスを入れますが、
黒富士農場さんの放牧卵に変えてからは使っていません。

卵がおいしいため、全てのお料理が
シンプルでありながらグレードアップ。

生き物にとって本能からくる行動欲求を制限しない環境や、
周りを取り巻く自然がいかに大切かを感じられる卵です。

ビストロナガミネではオムレツやキッシュ、
自家製のアイスクリームなどに
黒富士農場農場さんの放牧卵を使用しています。

ぜひ、そのおいしさを味わってみてください。

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