館山ジビエセンターにお邪魔しました

2024年06月12日 21:55

館山市の取り組み

いつもジビエを送っていただいている
館山の猟師さんに会いに行き、
施設の見学もさせていただきました。

館山市では近年、
右肩上がりで猪の捕獲数が増加、

しかしながら以前は
駆除した野生動物の処理は捕獲者に任され
駆除個体のほとんどは廃棄されていました。

そこで館山市は「館山ジビエセンター」を設立、
現在はほぼ廃棄されていた状況から
3割の個体を利活用できるまでになりました。

「ジビエ」というフランスの言葉が
私たちの生活に浸透してきた今、

館山の「獣害」を「獣益」に転換するには、
食から切り拓く利活用、
特に隣の都市部で暮らす私たちの関心と理解、
需要が欠かせないのだと思いました。

今回の訪問時にちょうどタイミングよく
猪が解体されたところだったので、
新鮮な内臓を一通りいただきましたが、
内蔵は焼肉店くらいしか需要がなく、
他の飲食店からはあまり人気がないということでした。

今回はメスの内臓を丸ごといただいてきて、
ポルト酒で煮込みブルーチーズ風味の
オーブン焼きにしました。

今は仕込み中ですが、肝臓はパテにする予定です。

猪をまるッと美味しくしますので、
ぜひぜひたくさんの方に召し上がっていただき、
館山市の取り組みを応援してもらえると嬉しいです☺️

生活にも及ぶ深刻な被害

畑の農作物を食べるという被害が多いイメージですが、他にも飛び出してきた猪と車との衝突、田んぼの畦をイノシシが掘り返して水が抜けてしまうなど、生活に密接した様々な被害があるそうです。

解体する場所

捕獲された野生動物は、その場で血抜きされ、およそ1時間以内にこちらに運ばれてきます。
見学時はちょうどメスの猪の解体が終わったところでした。

国基準の衛生管理に準じて迅速に処理されています。
冷蔵室で水分を抜き、熟成後に精肉されているため、雑味や臭みがなく、それぞれの個体の味を純粋に感じられます。

猪フィレ肉のポワレ

館山の摘果メロンととうもろこしのエチュベ添え 内臓を使ったサルミソース
とうもろこし畑に出没するという猪。季節ごとに野生動物が食べているものと合わせるのは、ジビエ料理の醍醐味です。

猪のパテ・ド・カンパーニュ

使用している肉全てが館山の猪のパテ。脂ののりの良い個体からしか取れないあみ脂まで館山の猪のものを使用した、希少な一皿。

新鮮な内臓

舌、食道、胃、肺、肝臓、脾臓、腎臓、あみ脂。流水で血抜きをします。

館山のアスパラガスと合わせてゼリー寄せにします。

食道

出汁をとり、ソースにしました。

ポルト酒で煮込んでオープン焼きに。

心臓

罠にかかった個体はその場で血抜きをされます。

あみ脂


脂ののりが良くない個体だと取れない、貴重なあみ脂。脾臓の周りにくっついている部分です。パテの形成に使用します。

腎臓

豆の形に似ていることから、そのまま「マメ」と呼ばれる腎臓。

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